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投資信託の分配金には2種類ある

 

◆投資信託の分配金には2種類ある

投資信託の分配金には2種類あり、実は性質が全く異なります。

そして、商品の選び方を間違えると、パフォーマンスを大きく下げてしまう可能性もあります。

ここでは、投資信託の分配金の種類とその影響についてみていきましょう。

 

投信の分配金には「普通分配金」を「特別分配金(元本払戻金)」があります。

 

●普通分配金
利益から支払われる分配金。利益からの支払いのため課税される。

●特別分配金
個別元本から取り崩して支払われる分配金。元本の払い戻しのため非課税。

 

分配金が「普通分配金」になるのか、「特別分配金」になるのかは、購入時の価格によります。

例でみてみましょう。

AさんとBさんはそれぞれ同じ投資信託Xを1万口分購入しました。Xの分配前の基準価額は11,000円です。

そして、分配金が1,000円が支払れました。

 

【Aさんの場合】
Aさんの購入時の価格は9,500円。Xの分配前の基準価額は11,000円なので、購入時よりも1,500円上昇しています。

分配金が1,000円支払われると、Aさんの場合は、1,000円全てが利益から分配される普通分配金となります。利益からの分配のため、この1,000円には課税され、手元には769円が入ってきます。

そして、分配後の投資信託の基準価額は「11,000円ー1,000円=10,000円」に下がります。

Aさんの場合は元本からの払い戻しはないため、投資した元本9,500円は減ってはいません。

 

 

【Bさんの例】
Bさんの購入時の価格は10,500円。分配前の基準価額は11,000円なので、購入時よりも500円上昇しています。

分配金が1,000円支払われたとすると、Bさんの場合は普通分配金500円、特別分配金500円となります。

分配後の投資信託の基準価額はAさんの時と同様に10,000円に下落。さらに、特別分配金500円は元本からの払い戻しのため、Bさんの投資した元本は500円分減少し10,000円となります。

 

 

◆分配金が支払われると複利効果が失われる

なぜ、分配金が多く支払われるとダメなのでしょうか?

分配金が支払われるということは、利益が払い戻されるということです。

本来、投資でより効率的に資産を増やしていくには、利益が生まれたら、それをそのまま投資に回すという「複利運用」がとても大切です。

複利効果については「お金を増やす3つのコツ」を読んでみてください。

https://fp-blossom.co.jp/learn01_06/

 

分配金が多く支払われると、それだけ複利効果を失ってしまうのです。

分配金を再投資するという方法もありますが、普通分配金の場合は課税されるので、再投資できる金額はその分減ってしまいます。

 

また、分配金が支払われると、その分基準価額も下落していきます。

そして、分配金が特別分配金の場合は、気が付かないうちに元本も取り崩されてしまっているのです。

投資元本が取り崩されてしまっていたら、投資効果は益々小さくなってしまいます。

 

現役世代が資産を増やすには、複利で運用し、投資効果を高めていくことが大切です。

資産を増やしていきたいなら、分配金がたくさん出るタイプの投資信託には要注意!

商品を選ぶ際には注意してくださいね。

 

◆まとめ

  • 投資信託の分配金には普通分配金と特別分配金(元本払戻金)がある
  • 普通分配金は利益からの分配
  • 特別分配金は元本の取崩し
  • 現役世代は、分配金がでない商品で複利運用するべし
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