◆時間分散の不思議
クイズです。皆さんも一緒に考えてみてください。
以下の4つの商品に、毎月1万円ずつ10回投資をした場合、最も資産が増えたのはどれでしょうか?
①(赤)1万円スタート、途中1.4万円まで上昇、その後下落し、現在の価格は1万円
②(黄)1万円スタート、そのまま右肩あがりで、現在の価格は1.2万円
③(緑)1万円スタート、途中8000円まで下落、その後上昇し、現在の価格は1万円
④(青)1万円スタート、途中5000円まで下落、その後上昇し、現在の価格は7500円
4つの商品とも、投資した総額は10万円です。
では、10か月後、一番資産が増えたのは・・・?
答えは④(青)です。
パフォーマンスが良かった順としては、④(青)>③(緑)>②(黄)>①(赤)となります。
よくセミナーで、このクイズをやるのですが、多くの人は、最も資産が増えた商品に②(黄)を選びます。
ずっと右肩上がりなので、最もパフォーマンスが良さそうに思えるのです。
しかし、実際、時間分散で投資をしている場合は違うのです。
資産残高は「価格×量(口数)」で計算します。
多くの人は「その時の価格」のみに注目しがちなのですが、実は、「どれだけ買えたのか?」という量も価格と同じくらい大事なのです。
途中、価格が下がった③と④は、その下がったときに1万円でたくさんの量を買うことができています。
④が5000円に下がった5か月目に、②の価格は1.1万円でした。
その時、同じ1万円の投資で、④は②の2倍以上もの量を購入できているわけです。
②1万/1,1万=0.9口 →1万円で0.9口分購入
④1万/5000=2口 →1万円で2口分購入
その結果、10か月後のそれぞれの資産額は…
(表1)時間分散投資をしたときの10か月後のパフォーマンス
いかがでしたでしょうか?
下げに強い時間分散投資の意味をお分かりいただけましたでしょうか?
◆一括投資の場合は?
もちろん、1月の時点で一括で投資をしていた場合は、②(黄)が最もパフォーマンスがよくなり、④(青)が最もパフォーマンスが悪くなります。
一括投資の場合は、1月に10万円を一括で投資しているので、購入した量(口数)は①~④、全てにおいて同じ10口です。
量が同じということは、パフォーマンスは単純に10月時点での価格で決まってしまいます。
(表2)一括投資したときの10か月後のパフォーマンス
◆まとめ